今の環境を変えたくて、一生懸命転職活動をした結果ようやく得られた「内定」!
しかし、いざ「内定」が出ると突然不安に駆られてしまう・・・。
このような悩みを抱えている人は意外にも多く、「内定ブルー」とも呼ばれています。
目次
後悔したくない!内定辞退?それとも承諾?
これまで4度の転職活動を経験した私も、毎回不安と戦いました。
内定後に悩み迷った挙句に
・内定辞退で現職に戻る
・内定辞退後から1年後に転職
こんな経験もあります。
今回は実体験で感じたことや転職エージェントの情報をもとに、「内定で迷った時に確認して欲しいこと」をご紹介します。

内定承諾を迷ってしまうよくある理由
内定をもらっても入社を迷ってしまう理由としては以下のようなことが考えられます。
- 内定条件が思っていたものと異なっていた
- 転職先の口コミを見ていて、不安になってしまった
- 今の職場への未練が出てきてしまった
- 複数の内定をもらって決められない
特に、選考が進めば進むほど企業について知る機会も増え、応募当時には考えつかなかった悩みが出てくることも少なくありません。
まず心に留めておいて欲しいのが、
「内定をもらったからといって、必ずしもすぐに入社を決断しなくても良い」ということです。
転職は自分の人生を左右する大きな転換期のひとつ。
少しでも迷いが出た方は、自分の人生を一番に考えて自身の心とじっくり向き合う時間を作ってあげましょう。
また後述いたしますが、内定には一般的に承諾期間が設けられていますので、検討期間については十分に気をつけてくださいね。



内定に迷ったらこの5つを確認してみよう
様々な理由で内定に迷ったら、多方面から内定企業を見つめ直すことをおすすめします。
転職で叶えたい”目的”は、その会社に行くことで叶えられますか?
転職をするということは、どんな理由であれ現在の環境をより良くするために(より自分の生活になじむように)変えたい!という思いを持った行動のはずです。
その本来の目的を忘れてはいけません。
内定をもらった会社では、”転職で叶えたい本来の目的”は叶えられそうですか?
その望みが薄いようでは、転職しても結局同じような悩みにぶつかることになります。
<転職を考えるきっかけとなった「本音」ランキング>
1位:上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった(23%)
2位:労働時間・環境が不満だった(14%)
3位:同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった(13%)
4位:給与が低かった(12%)
5位:仕事内容が面白くなかった(9%)
例えば、「上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった」ために転職したいと考えている場合。
一般的な面接では上司や経営者に近い方と面接することになるため、その時に出来る限り情報を引き出す必要があります。
もちろん人柄を面接だけで判断するには限界がありますが、仕事の進め方や経営者の考え方は質問することができます。
企業によっては働いているスタッフに話を聞く機会をつくってくれる場合もあるので、積極的に利用させてもらいましょう。
現場の声を聞いてみると、面接では見えなかったことが見えてくることもありますよ。
このように、”今回の転職で叶えたい目的”を改めて整理して、内定先の企業が該当するかどうかを見直してみることをおすすめします。
年収だけで判断しようとしていませんか?
転職活動において年収が重要度は人によると思いますが、生活を考えると優先度は必然的に高くなる人が多いのではないでしょうか。
大抵の場合は、自分の中での許容範囲(月収もしくは年収○円以上ならOK)を設定して転職活動に臨んでいると思いますが、内定の条件提示の際に想定外の金額を提示されることもあります。
パターンとしては、以下の2つです。
- 想定していた以上の金額を提示された場合
- 自分の許容範囲の金額を下回る場合
想定していた以上の金額を提示された場合は、当然嬉しくなり魅力的に感じますよね。
またその逆で、自分の許容範囲の金額を下回ってしまったらそれだけで「辞退」の判断をしてしまいそうになることも。
しかし、長期的に働く上では「採用条件」だけを見るのではなく、その他の条件も考慮して慎重に検討することをおすすめします。
例えば、入社時の月収が低くても昇給スピードが速かったり福利厚生が充実している場合もありますし、逆に入社時の月収が高くても残業率が非常に高くワークライフバランスが取りにくい、昇給が少ない場合もあります。
表面的な採用条件だけで判断することなく、長期的な視野を踏まえて考えてみましょう。
妥協で入社しようとしていませんか?
転職活動は、思っている以上に精神的にも体力的にもハードです。最初に複数社に応募をしている場合、週に何度も合否がきたり面接に足を運ぶこともあります。
特に、不合格を意味する「お祈りメール」は何度経験しても慣れるものではありません。
最初の通過点である書類通過率は、一般的に30%程度※1 といわれています。
実に3通に2通は「お祈りメール」を受け取ることになります。
その後選考に進んだ場合も、最終面接にたどり着き内定をもらうまでの確率はもっと下がっていきます。
この通過率が低いとだんだんと自信を喪失し、
「この会社を逃したらもう就職できないかも」
「この会社以上に良い条件の会社には内定をもらえないかも」
と疑心暗鬼になってしまい、臨んでいた条件とは異なっていても内定に承諾してしまう人もいます。
臨んでいた条件と異なる内定を受けることは決して悪いことではありませんが、条件が異なることで生じるデメリットと、今後も転職活動を続けるメリット・デメリットを冷静に天秤にかけてみることをおすすめします。
※1参考:マイナビ転職
企業ブランドに惑わされていませんか?
「消費者目線での企業」「求人情報での企業」への印象の良さと「自分自身の実際の働き先としての企業」への印象の良さは、イコールではないことも多いです。
どんなに良い会社でも、自分の理想とする働き方ができなかったり、雰囲気が合わなかったりすることは十分に考えられます。
例えば、大手企業であればあるほど実作業は細分化されている傾向にあるため、ある特定分野のスキルは高められるもののそれ以外の業務には関与できない。
中小企業であればあるほど様々な業務を経験することはできるが、日々めまぐるしく業務内容が変化する。
これはごく一般論として例にあげましたが、上記のように会社によって業務内容には大きな違いが生じます。
決して「企業ブランド」に惑わされるのではなく、実際の業務が自分の望むものと合っているのか、会社の雰囲気は肌に合いそうかを面接や転職エージェントを通して確認してみましょう。
「断ってはいけない!」という罪悪感を感じていませんか?
面接の担当官にとても良くしてもらったり、転職エージェントを経由している場合は担当エージェントに入社をうながされたりすると、「入社しないと申し訳ないな・・・」と考えてしまうこともあると思います。
私も面接を担当してくれた人事の方にとても親切にしていただき、入社しないとご迷惑をかけるのでは、と悩んでしまったことがあります。
しかし、内定後の辞退は意外にも多いのをご存知ですか?
転職・就職情報サイト「人事のミカタ」によると、中途採用において5人に3人が選考辞退の経験があります。
※企業への中途採用の選考辞退アンケート


参考:エン 人事のミカタ
このことからもわかるように、企業側もある程度は辞退の可能性を考えて内定を出しています。企業側にとっては、「よくあること」なのです。
違和感があるのに入社してしまい、結果としてすぐに退職してしまう方が企業にとっても良くありませんし、次回の転職活動にも影響が出てしまいます。
(早期の退職は、面接で必ず理由を聞かれます!)
罪悪感に流されずに判断しましょう。



内定承諾を判断するためにチェックしておきたい項目
色々とお伝えしましたが、私が内定承諾する際に改めて確認しておいて良かった項目や確認方法をご紹介します。
<オススメのチェック項目>
- 昇給制度や休暇(GW、長期休暇の取り方、休日出勤、女性の場合は産休や時短勤務など)
- 体調不良など急な欠勤が必要な場合の申請方法
- 残業状況と残業代が出る場合は残業代の算出方法
- 部署異動の可能性
- 退職金、福利厚生の有無
- 具体的な業務内容と進め方(自主的に進めることが多いか、細かく確認を取りながらの作業が多いかなど)
- 所属部署の雰囲気や年齢層
- 好まれる、必要とされる人物像
<確認方法>
- 面接担当者に聞く
- 担当エージェントに聞く(転職エージェントを利用している場合)
- 転職口コミサイトを見る
- 知人や友人に聞く
ただし、転職口コミサイト等はあくまでも第三者の意見になってしまうので、左右されすぎないように自分の直感も大切にしてくださいね。
内定承諾に迷ったら、速やかに連絡を
最後に、内定承諾を待ってもらう場合の注意点です。
もし内定承諾に時間をいただく場合には、必ず先方企業、また転職エージェントを通している場合は担当エージェントまで速やかに承諾期限の確認を取るようにしましょう。
その際、正当な延長理由をお伝えすることを忘れないように。
例えば、
- 主人(妻)に相談の必要があるため時間が欲しい
- 今後の生活に関わることなので、採用条件を踏まえた上で再度熟考させて欲しい
などです。
企業側は自社への入社意思が高い人を入社させたいと考えていますので、伝え方には十分に注意するようにしましょう。
本当の理由が「別に第一志望がある」などの理由だったとしても、内定企業が第一志望ではないことが伝わるような言い方は避けた方が良いでしょう。
回答期限は最長でも1週間程度
一般的には、内定から最長でも一週間前後が常識的な回答期限です。
もし内定を辞退された場合、企業側も選考をやり直さなければなりませんので、その時間への考慮は必要です。
特に中途採用の場合は即戦力を求められていることも多く、企業側は1日でも早く内定を承諾して欲しいと考えているので、回答が早ければ早いほど印象は良いでしょう。
万が一、企業側から提示された回答期限を守らなかったり、非常識な回答期限を要求したりすると内定が取り消しとなる可能性もあります。
以上のリスクがあることを踏まえて、慎重に交渉するようにしましょう。
また、企業によってはすぐに内定を承諾しないと取り消し、といった企業もないとは言い切れません。
私の考えにはなりますが、人生がかかっている転職において悩んでしまうのは当然のことです。
その人生の選択の場で数時間でも熟考する時間を設けてくれない企業は、就職したとしてもその後苦労する可能性も考えられます。
内定者に行う対応は今後の従業員への対応ととらえて、しっかりと判断しましょう。
決断するのは自分自身、後悔のないよう時間の限り精一杯悩もう!
転職活動の面接を通して他社を知ること、自分自身と現在の会社を振り返ることはとても有意義な時間となります。
内定の承諾も、現職に残る決断も、最後の決断は自分自身でしかできません。
勇気もエネルギーも必要となる転職活動。
せっかく一歩踏み出したのですから、最後まで悩みぬいて決断できると良いですね。